こんにちは。モンテッソーリ教師として10年間子どもたちと向き合い、自身も一人の母として試行錯誤を重ねてきた、知育メディア編集者の田中です。
「ワールドワイドキッズが終了してしまって、もうどうしたらいいかわからない…」
そんなお声を、最近本当によく耳にします。愛用していた教材が突然使えなくなって、途方に暮れているママ・パパのお気持ち、痛いほどよくわかります。
実は私自身も、息子が2歳の頃、「英語は早い方がいい」という情報に踊らされて、高額な英語教材を一式購入した経験があります。その時の私は、まさに今のあなたと同じような気持ちでした。「この教材さえあれば安心」と思っていたのに、息子は思うように興味を示してくれず、教材は次第にリビングの隅に…。
でも、あの失敗があったからこそ、今の私があります。「”正解”探しに疲れた保護者の心を軽くしたい」「一人ひとりの子どもの個性と好奇心を何よりも大切にする」という想いで、この記事を書かせていただいています。
ワールドワイドキッズのサービス終了は確かに残念な出来事です。でも、これは新しい英語教育との出会いのチャンスでもあるんです。あなたのお子さんにとって、もっとぴったりな学習方法が見つかるかもしれません。
この記事では、ワールドワイドキッズユーザーだった皆さんが抱える不安や疑問に、一つひとつ丁寧にお答えしていきます。代替教材の比較はもちろん、費用や効果、そして何より「わが子らしい英語教育」を見つけるためのヒントをお伝えします。
ワールドワイドキッズのサービス終了|何が変わったのか、正確に把握しよう
サービス終了の経緯と影響
2023年3月、ベネッセコーポレーションから突然の発表がありました。長年愛され続けてきた幼児向け英語教材「ワールドワイドキッズ」が、同年8月末でサービスを終了するというものでした。
私がこのニュースを聞いた時、保育現場でワールドワイドキッズの歌を口ずさんでいる子どもたちの顔が浮かびました。「Mimi、Zizi、Nia…」のキャラクターたちは、多くの家庭で家族の一員のような存在だったのではないでしょうか。
サービス終了で利用できなくなったもの
- オンライン配信サービス(動画・音声コンテンツ)
- デジタル連動機能
- 新規教材の購入
- アフターサポートの一部
今でも利用できるもの
- すでに手元にある教材(DVD、CD、おもちゃ等)
- Worldwide Kids Phonicsアプリ(2024年3月まで延長使用可能だった)
保育士として現場に立つ中で、「教材がなくなったら、もう英語教育は諦めるしかないのでしょうか」というご相談を何度も受けました。そのたびに私は、「教材は手段であって、目的ではありませんよ」とお伝えしています。
大切なのは、お子さんが英語に触れることで、どんな表情を見せてくれるか。どんな発見や喜びを感じているか。それを見逃さないことなんです。
ワールドワイドキッズが愛された理由を振り返る
なぜワールドワイドキッズは多くの家庭で愛用されていたのでしょうか。その理由を振り返ることで、代替教材を選ぶ際の基準が見えてきます。
1. 年齢に応じた段階的なカリキュラム
0歳から6歳まで、子どもの発達段階に合わせて設計されたプログラムでした。たとえば、0歳向けのStage 0では、まず「英語の音に慣れ親しむ」ことから始まり、3歳頃のStage 3では「簡単な会話のやりとり」ができるような構成になっていました。
私が現場で見てきた子どもたちの成長を思い出すと、この段階性の大切さを痛感します。1歳の子に4歳向けの内容を与えても、興味を示さないのは当然です。子どもの「今」に寄り添った内容だからこそ、自然に英語の世界に入っていけたのですね。
2. 親子で一緒に楽しめる工夫
ワールドワイドキッズの大きな特徴は、「親子のコミュニケーション」を重視していた点でした。単に子どもが一人で学習するのではなく、パパ・ママも一緒に歌ったり、踊ったり、遊んだりできる内容が豊富に含まれていました。
これは、モンテッソーリ教育の観点からも非常に理にかなっています。子どもは、大好きな人と一緒に体験することで、その活動により深い意味を見出すものです。「ママが楽しそうに英語を話している」「パパと一緒に英語の歌を歌うのが楽しい」という記憶こそが、将来的な英語学習への土台となるのです。
3. 多様な学習スタイルへの配慮
DVDで視覚的に学ぶ子、CDで聴覚的に学ぶ子、おもちゃを使って体感的に学ぶ子。ワールドワイドキッズは、さまざまな学習スタイルの子どもたちに対応できる、多角的なアプローチを取っていました。
私の息子は典型的な「動き回って覚えるタイプ」でした。じっと座って画面を見続けることは苦手でしたが、Mimiのパペットを持って歌いながら踊り回っているうちに、いつの間にか英語のフレーズを覚えていました。このように、子どもの個性に寄り添える選択肢の豊富さが、多くの家庭で愛された理由の一つだったのでしょう。
代替教材を選ぶ前に|子どもの英語教育で本当に大切なこと
新しい教材を探す前に、少し立ち止まって考えてみませんか。「なぜわが子に英語を学んでほしいのか」「どんな風に英語と関わってほしいのか」を。
英語教育の目的を見つめ直す
「英語ができる子」よりも「英語を楽しめる子」を目指そう
10年間、さまざまな子どもたちと接してきた経験から、私が確信していることがあります。それは、「英語が得意な子」と「英語を楽しめる子」は、必ずしも同じではないということです。
たとえば、4歳でアルファベットを完璧に書けても、英語を嫌いになってしまった子。逆に、まだ単語もあやふやだけれど、英語の歌が流れると目をキラキラさせて踊り出す子。どちらが将来的に英語を使って世界を広げていけるでしょうか。
答えは明らかですよね。
母語の土台があってこその英語
もう一つ大切なことは、日本語(母語)の土台がしっかりしていることです。モンテッソーリ教育では、「言語の敏感期」について詳しく学びますが、0歳から6歳の間に、まず母語での豊かなコミュニケーション体験を積むことが、後の外国語習得にも大きく影響します。
「英語教育を始めると、日本語が遅れるのでは」という心配をよく聞きますが、実際は逆です。日本語で「考える力」「表現する力」が育っている子ほど、英語でも豊かなコミュニケーションができるようになります。
子どもの発達段階を理解しよう
0~2歳:音とリズムを楽しむ時期
この時期の子どもたちは、言語の「音」そのものに敏感です。英語の持つ独特のリズムや音の響きを、全身で吸収していきます。
保育現場で見ていると、0歳の赤ちゃんでも、英語の音楽が流れると手足をばたつかせて喜んだり、1歳の子が意味はわからなくても英語の歌に合わせて体を揺らしたりする姿をよく目にします。
この時期に大切なのは、「正しく発音させよう」「単語を覚えさせよう」とすることではありません。ただ、英語の美しい音とリズムに触れて、「楽しい」という感情と結びつけることです。
3~4歳:模倣と表現の時期
3歳を過ぎると、子どもたちは積極的に言葉を使って表現しようとします。この時期の特徴は、「恥ずかしさ」をまだ知らないこと。間違いを恐れず、思いついたまま口に出してくれます。
私の保育園では、3歳のAちゃんが突然「I’m hungry!」と言い出したことがありました。きっと家でワールドワイドキッズを見ていたのでしょう。その時のAちゃんの嬉しそうな表情を見て、「あ、この子は英語を話すことに喜びを感じているんだな」と感じました。
この時期は、「完璧さ」よりも「表現する楽しさ」を大切にしてあげたいですね.
5~6歳:理解と応用の時期
5歳を過ぎると、言語に対する理解力が格段に向上します。英語と日本語の違いに気づいたり、「なんで英語では〇〇って言うの?」と質問してきたりするようになります。
この時期の子どもたちには、単純な暗記ではなく、「なぜ」「どうして」に答えられるような学習環境を用意してあげることが大切です。
ワールドワイドキッズの代替候補|特徴と費用を徹底比較
それでは、具体的な代替教材について見ていきましょう。ここでは、ワールドワイドキッズを愛用していた皆さんのニーズに応えられそうな選択肢を、費用や特徴とともに詳しくご紹介します。
こどもちゃれんじEnglish|ベネッセの新しい英語教育
基本情報
- 対象年齢:1歳~6歳
- 受講費:月額2,933円~(会員価格、2ヶ月に1回お届け)
- 教材:DVD、絵本、エデュトイ(知育玩具)、保護者向けガイド
ワールドワイドキッズとの共通点
同じベネッセということもあり、ワールドワイドキッズのDNAを引き継いでいる部分が多くあります。たとえば、しまじろうと一緒に英語を学ぶことで、子どもたちにとって親しみやすい設計になっています。
私が実際に教材を拝見した感想として、ワールドワイドキッズほどの本格的な英語環境は提供しませんが、「英語に親しむ」という入り口としては非常によくできていると感じました。
メリット:お財布にやさしく、続けやすい工夫が満載
- 月額3,000円以下という手頃な価格設定:ワールドワイドキッズの総額(20万円程度)と比べると、はるかにリーズナブルです。「とりあえず英語教育を始めてみたい」という方には始めやすい価格帯ですね。
- しまじろうの安心感:多くの子どもたちが慣れ親しんでいるしまじろうが登場することで、新しい教材への抵抗感が少なくなります。私の保育園でも、しまじろうが出てくると「知ってる!」と嬉しそうに反応する子が多いです。
- 2ヶ月に1回のお届けペース:毎月ではなく隔月なので、子どもがしっかりと教材に取り組む時間を確保できます。「新しい教材が来る前に、前の教材をもう一度楽しもうか」という使い方ができるのも良いですね。
デメリット:本格的な英語力育成には物足りなさも
- ワールドワイドキッズと比べると内容が浅い:年間を通して学習できる語彙数や表現パターンが限定的です。「英語でのコミュニケーション能力」を本格的に育てたい場合は、他の教材との併用が必要かもしれません。
- オールイングリッシュではない:しまじろうは基本的に日本語で話しかけてくるので、英語環境への没入感はワールドワイドキッズほど高くありません。
こんな家庭におすすめ
「ワールドワイドキッズは良かったけれど、あそこまで本格的でなくても…」と感じている方。まずは英語に慣れ親しんでもらいたいという段階のご家庭にぴったりです。
ディズニー英語システム(DWE)|本格的な英語環境を求める方に
基本情報
- 対象年齢:0歳~12歳
- 費用:約52万円~100万円(パッケージにより異なる)
- 教材:DVD、CD、絵本、カード、玩具など膨大な教材セット
- 特典:ワールドファミリークラブ(月額3,410円)でイベント参加やCAP制度利用可能
ワールドワイドキッズからの移行で感じる違い
まず、圧倒的な教材量に驚かれるでしょう。ワールドワイドキッズが「コンパクトで使いやすい」教材だったとすれば、DWEは「本格的で包括的な」英語学習システムです。
私が実際にDWEを使用している家庭を訪問させていただいた時、リビング一面にDWEの教材が並んでいる光景は、まさに「英語の環境」そのものでした。子どもたちも、まるで英語が第二の母語であるかのように、自然に英語の歌を口ずさんでいました。
メリット:本物の英語力が身につく可能性の高さ
- ネイティブレベルの英語環境:すべてがオールイングリッシュで構成されており、まさに「英語漬け」の環境を家庭で作ることができます。継続して使用すれば、確実に高い英語力が身につくでしょう。
- 母語方式の学習アプローチ:日本語を介さず、英語を英語で理解する「母語方式」を採用しています。これは言語習得の理想的な形であり、将来的に「英語で考える力」につながります。
- 充実したアフターサポート:ワールドファミリークラブに入会すれば、全国各地でのイベント参加や、CAP制度(課題をクリアしていく制度)により、モチベーション維持がしやすくなります。
デメリット:覚悟と継続力が必要な投資
- 高額な初期費用:最も大きなハードルは費用です。フルセット購入の場合、100万円近くになることもあります。「教材を購入したから英語ができるようになる」のではなく、「継続的に使い続けるから効果が出る」という点を理解した上での投資が必要です。
- 親の負担が重い:DWEの効果を最大化するためには、親が積極的に関わる必要があります。忙しい中でも、子どもと一緒にCDを聞いたり、DVDを見たりする時間を確保し続けるのは、想像以上に大変です。
- 挫折する家庭も多い:高額な投資をしたにも関わらず、継続できずに挫折してしまう家庭も珍しくありません。購入前に、本当に続けられるかどうかを冷静に判断することが重要です。
こんな家庭におすすめ
「子どもには将来、英語で困らないレベルの英語力を身につけてほしい」と強く願い、そのための時間と労力を惜しまない覚悟のあるご家庭。また、経済的に余裕があり、長期的な投資として英語教育を考えているご家庭に向いています。
パルキッズ|「聞き流し」を重視したアプローチ
基本情報
- 対象年齢:0歳~小学生
- 費用:約6万円~(レベルにより異なる)
- 教材:CD中心、一部絵本やプリント教材
- 学習方法:1日90分のかけ流しが基本
独特な学習理論:「無意識の学習」を重視
パルキッズの最大の特徴は、「聞き流し」を中心とした学習アプローチです。1日90分、英語のCDをBGMのようにかけ流すことで、無意識のうちに英語の音やリズムを身につけるという理論に基づいています。
これは、赤ちゃんが母語を習得する過程と似ています。お母さんが話しかける言葉を、意味を理解する前からずっと聞いていて、いつの間にか話せるようになる。その自然な言語習得過程を英語でも再現しようという考え方です。
メリット:忙しい家庭でも続けやすいシンプルさ
- 親の負担が少ない:基本的には「かけ流し」なので、親が付きっきりで教える必要がありません。家事をしながら、車での移動中に、と日常生活の中に自然に組み込むことができます。
- 比較的リーズナブルな価格:DWEと比べると、はるかに手頃な価格設定です。「まずは聞き流しから始めてみたい」という方には始めやすい金額ですね。
- シンプルな学習システム:複雑な操作や準備が不要なので、継続しやすいです。毎日同じ時間にCDをかけるだけという単純さが、逆に続けやすさにつながります。
デメリット:効果には個人差が大きい
- 「聞き流し」の効果に疑問視する専門家も:言語学習において、「意識的な学習」の重要性を主張する専門家からは、聞き流しだけでは限界があるという意見もあります。
- インタラクティブな要素が少ない:ワールドワイドキッズのような、歌ったり踊ったり、体を使って覚える要素が少ないため、活発な子どもには物足りなく感じられるかもしれません。
- 効果が見えにくい:聞き流しは成果が目に見えにくいため、「本当に効果があるのか」という不安を感じる保護者の方も多いです。
こんな家庭におすすめ
共働きで忙しく、子どもの英語教育に多くの時間を割けないが、何かしら英語に触れさせてあげたいというご家庭。また、「まずは英語の音に慣れる」ことから始めたいと考えている方に向いています。
オンライン英会話|個別指導で実践的な英語力を
基本情報
- 対象年齢:3歳~(サービスにより異なる)
- 費用:月額3,000円~15,000円(頻度により異なる)
- 形式:マンツーマンまたは少人数のオンラインレッスン
- 主要サービス:グローバルクラウン、リップルキッズパーク、ハッチリンクジュニアなど
ワールドワイドキッズにはない「生きた英語」体験
オンライン英会話の最大の魅力は、「相手がある」コミュニケーションです。ワールドワイドキッズでは、DVDの中のキャラクターに話しかけることはできませんが、オンライン英会話では先生が子どもの反応に合わせて話しかけてくれます。
私の保育園でも、オンライン英会話を受講している5歳のB君がいます。最初は恥ずかしがって画面の向こうの先生に手を振ることさえできませんでしたが、3ヶ月経った今では「Hello! How are you?」と元気に挨拶できるようになりました。
メリット:実際のコミュニケーション体験の価値
- リアルタイムでの反応と修正:子どもが間違った発音をすれば、その場で優しく直してもらえます。正しく言えた時には、すぐに「Good job!」と褒めてもらえます。この即座のフィードバックは、教材学習では得られない貴重な体験です。
- 個別指導による効率的な学習:子どものペースや興味に合わせて、レッスン内容を調整してもらえます。恥ずかしがりの子には優しくゆっくりと、活発な子には歌やゲームを多めに、といった配慮をしてもらえるのは大きな魅力です。
- 月謝制で始めやすい:一度に大きな金額を支払う必要がないため、「とりあえず1ヶ月試してみよう」という気軽さがあります。子どもに合わなければ、すぐに中止することもできます。
デメリット:環境整備と継続の難しさ
- 安定したネット環境が必要:レッスン中に接続が不安定になると、子どもの集中力が途切れてしまいます。また、静かな環境を用意する必要もあり、兄弟がいる家庭では調整が大変な場合があります。
- 子どもの気分に左右される:その日の体調や気分によって、全くレッスンに参加してくれない日もあります。25分間じっと座っていることが苦手な子どもには、負担に感じられることもあるでしょう。
- 継続するための工夫が必要:単発のレッスンでは効果が限定的なので、継続することが重要です。しかし、子どもが飽きてしまったり、他の習い事との兼ね合いで続けられなくなったりすることもあります。
こんな家庭におすすめ
「英語は机の上で学ぶものではなく、コミュニケーションツールである」という考えをお持ちの方。また、子どもが人見知りをせず、新しい人との出会いを楽しめるタイプのお子さんがいるご家庭に特におすすめです。
英語絵本の多読|じっくりと英語の世界に浸る
基本情報
- 対象年齢:0歳~(親子で楽しむ場合)
- 費用:月額1,000円~3,000円(図書館利用なら無料)
- 教材:英語絵本、音声ペン、CDなど
- アプローチ:Oxford Reading TreeやCTP絵本など段階的な多読システム
「読む楽しさ」から始まる英語学習
英語絵本を使った学習は、ワールドワイドキッズとは全く異なるアプローチです。歌や踊りではなく、静かに本の世界に浸ることで英語を身につけていく方法です。
私自身、息子が3歳の頃から英語絵本の読み聞かせを始めました。最初は意味がわからなくても、美しい絵を見ながら英語の音を聞いているうちに、いつの間にか簡単な単語を覚えていました。「Goodnight Moon」を読み聞かせていた時、息子が「Moon!」と指をさして嬉しそうに言った時の感動は、今でも忘れられません。
メリット:親子の絆を深めながら学べる温かさ
- 親子の特別な時間:寝る前の読み聞かせタイムは、親子にとって特別な時間になります。英語学習というよりも、「一緒に素敵な物語を楽しむ」という感覚で取り組めるのが魅力です。
- 想像力と語彙力の同時育成:英語の語彙を覚えるだけでなく、物語を通して想像力も豊かになります。また、絵本の文脈の中で英語を覚えるため、単語だけでなく表現の幅も広がります。
- 費用対効果の高さ:図書館を活用すれば、ほとんど費用をかけずに多様な英語絵本に触れることができます。「高額な教材を購入したのに使わなかった」という失敗のリスクが低いのも安心です。
デメリット:継続と選書の難しさ
- 親の英語力に左右される面も:正しい発音で読み聞かせをしてあげたいと思っても、親自身の英語力に不安がある場合、躊躇してしまうことがあります。ただし、完璧である必要はありません。一緒に楽しむ気持ちが一番大切です。
- 適切なレベル選びが難しい:子どもの英語レベルに合った絵本を選ぶのは、慣れないうちは難しいものです。簡単すぎても物足りないし、難しすぎても嫌になってしまいます。
- 即効性は期待できない:英語絵本の効果は、時間をかけてじっくりと現れるものです。「今月から始めて、来月には英語を話せるように」という即効性を求める方には向かないかもしれません。
こんな家庭におすすめ
読書が好きなご家庭、親子でゆったりとした時間を過ごすことを大切にしているご家庭。また、「英語も大切だけれど、まずは本を読む習慣を身につけてほしい」と考えている方に特におすすめです。
年齢別・性格別|わが子にぴったりの選択肢はこれ
ここまで様々な選択肢をご紹介してきましたが、「結局、うちの子にはどれが良いの?」と迷ってしまいますよね。お子さんの年齢や性格に合わせて、おすすめの組み合わせをご提案します。
0歳~2歳|音とリズムを大切にしたい時期
この時期の子どもの特徴
0歳から2歳の子どもたちは、まだ意味のある言葉を話せませんが、音やリズムに対する感受性は非常に高い時期です。英語の持つ独特の音の響きやイントネーションを、全身で感じ取ろうとします。
私が保育現場で見ている限り、この時期の子どもたちは「正しさ」よりも「楽しさ」を求めています。英語の歌が流れると手足をばたつかせて喜んだり、音楽に合わせて体を揺らしたりする姿は、見ているだけで微笑ましくなります。
おすすめの選択肢
第1位:英語絵本 + こどもちゃれんじEnglish
この年齢では、親子の触れ合いを通した学習が最も効果的です。英語絵本の読み聞かせで親子の特別な時間を作り、こどもちゃれんじEnglishのしまじろうで楽しく歌って踊る。この組み合わせなら、月額3,000円程度で豊かな英語体験を提供できます。
第2位:パルキッズ(かけ流し)
「忙しくて付きっきりで教えることはできないけれど、何かしら英語に触れさせてあげたい」という方には、パルキッズのかけ流しがおすすめです。家事をしながら、車での移動中に、自然に英語の音環境を作ることができます。
この時期に避けたい選択肢
- オンライン英会話:まだ画面を通したコミュニケーションを理解するには早すぎます。
- DWE(フルセット):教材が多すぎて、この年齢では活用しきれません。
3歳~4歳|表現したい気持ちが芽生える時期
この時期の子どもの特徴
3歳を過ぎると、子どもたちは自分の気持ちや考えを言葉で表現したいという欲求が強くなります。「これ何?」「どうして?」という質問が増えるのもこの時期です。英語に対しても、「聞く」だけでなく「話してみたい」という気持ちが芽生えてきます。
保育園でも、3歳児クラスになると「英語で『ありがとう』って何て言うの?」と聞いてくる子が増えます。恥ずかしさをまだあまり知らないこの時期だからこそ、積極的に英語を口に出してくれるのですね。
おすすめの選択肢
第1位:こどもちゃれんじEnglish + 英語絵本
しまじろうと一緒に英語を学びながら、親子の読み聞かせタイムで語彙を増やしていく組み合わせです。この年齢の子どもたちが最も親しみやすく、継続しやすい方法だと思います。
第2位:DWE(入門セット)
本格的な英語環境を求めるなら、DWEの入門セットから始めてみるのもよいでしょう。ただし、子どもの反応を見ながら、徐々に教材を増やしていくことをおすすめします。
第3位:英語絵本 + 月1~2回のオンライン英会話
英語絵本で基礎的な語彙を身につけながら、月に数回のオンライン英会話で「英語を話す楽しさ」を体験する組み合わせです。費用も月5,000円程度に抑えられます。
性格別のアドバイス
- 活発で歌や踊りが好きな子:こどもちゃれんじEnglishやDWEなど、体を動かしながら学べる教材がおすすめ。
- 静かで集中力がある子:英語絵本の多読から始めて、徐々にオンライン英会話を取り入れてみましょう。
- 人見知りが激しい子:まずは家庭で親子一緒に楽しめる教材から始めて、慣れてきたらオンライン英会話を検討しましょう。
5歳~6歳|学習への意欲が高まる時期
この時期の子どもの特徴
5歳を過ぎると、子どもたちは「学ぶ」ことそのものに興味を示すようになります。「なぜ英語では〇〇って言うの?」「日本語と英語って何が違うの?」といった言語に対する意識的な関心も芽生えてきます。
また、小学校入学を控えて、「勉強」に対する準備意識も高まる時期です。「お兄さん・お姉さんになったら英語も勉強するんだ」という自覚を持つ子も多いでしょう。
おすすめの選択肢
第1位:オンライン英会話 + 英語絵本
この年齢になると、25分間のオンライン英会話レッスンに集中できるようになります。週2~3回のオンライン英会話で実践的なコミュニケーション力を育て、英語絵本で語彙と読解力を高める組み合わせが理想的です。
第2位:DWE(段階的に教材を追加)
本格的な英語力を身につけさせたいなら、この時期からDWEを始めるのも一つの選択肢です。小学校入学前の時間に余裕があるうちに、集中的に取り組むことで大きな効果が期待できます。
第3位:こどもちゃれんじEnglish + オンライン英会話(月1~2回)
費用を抑えながらも、幅広い英語体験を提供したい場合の組み合わせです。こどもちゃれんじEnglishで基礎を固め、オンライン英会話で実践経験を積む方法です。
学習タイプ別のアドバイス
- 視覚学習タイプ(目で見て覚える子):英語絵本やDWEの絵カードなど、視覚的な教材を中心に組み立てましょう。
- 聴覚学習タイプ(耳で聞いて覚える子):パルキッズのかけ流しやDWEのCDなど、音声教材を多めに取り入れましょう。
- 体感学習タイプ(体を動かして覚える子):オンライン英会話での双方向コミュニケーションや、こどもちゃれんじEnglishの歌や踊りが効果的です。
費用で比較|年間コストと効果のバランス
英語教育を考える上で、避けて通れないのが費用の問題です。「教育にお金をかけるのは当然」と思いつつも、家計への負担は気になりますよね。ここでは、各選択肢の年間コストを整理し、費用対効果の観点から冷静に比較してみましょう。
年間コスト比較表
低コスト(年間3万円以下)
- 英語絵本(図書館活用):年間0~1万円
- 図書館を活用すれば、ほぼ無料で多様な英語絵本に触れられます
- 音声ペンやCD付き絵本を購入しても年間1万円程度
- パルキッズ(基本セット):年間約2万円
- 初回購入費用を3年で割ると年間約2万円
- 追加教材を購入しなければ、これ以上の費用はかかりません
中コスト(年間3万円~10万円)
- こどもちゃれんじEnglish:年間約3.5万円
- 月額約2,933円×12ヶ月(2ヶ月に1回配送のため実質6回)
- 入会金や追加料金は基本的になし
- オンライン英会話(週1回):年間約4~6万円
- 月額3,000~5,000円のサービスを利用した場合
- 教材費は基本的に月謝に含まれています
- 英語絵本 + オンライン英会話の組み合わせ:年間約6~8万円
- 多様性のある学習環境を比較的リーズナブルに実現
高コスト(年間10万円以上)
- DWE(分割購入の場合):年間約15~25万円
- フルセットを3~5年で分割購入した場合の年間負担額
- ワールドファミリークラブ費用(年間約4万円)も含む
- オンライン英会話(週3回以上)+ 教材併用:年間約12~20万円
- 本格的な英語力育成を目指す場合の組み合わせ
費用対効果の考え方
「安い=悪い」「高い=良い」ではない
保育現場で多くの子どもたちを見てきた経験から言えることは、教材の価格と効果は必ずしも比例しないということです。
例えば、図書館で借りた英語絵本を毎晩読み聞かせているAちゃん(4歳)は、高額な教材を使っているBくん(同じく4歳)よりも豊富な英語の語彙を身につけていました。大切なのは教材の値段ではなく、「継続して取り組めるかどうか」「子どもが楽しんでいるかどうか」なのです。
家計に無理のない範囲で始めることの大切さ
私自身の失敗談をお話しします。息子が2歳の頃、「早期英語教育は効果的」という情報に踊らされて、家計を圧迫するほど高額な英語教材を購入しました。その結果、「元を取らなければ」というプレッシャーから、息子の気持ちを無視して無理やり教材を使わせようとしてしまいました。当然、息子は英語を嫌いになってしまい、教材は次第に押し入れの奥に…。
この経験から学んだのは、「家計に余裕のない状態で始めた英語教育は、結果的に親子ともに不幸になる」ということです。
段階的に投資額を増やすという考え方
最初から高額な教材を購入するのではなく、まずは低コストで始めて、子どもの反応を見ながら徐々に投資額を増やしていくという方法をおすすめします。
段階的投資の例
- 第1段階(年間1~3万円):英語絵本の読み聞かせから始める
- 第2段階(年間3~5万円):こどもちゃれんじEnglishを追加
- 第3段階(年間6~10万円):オンライン英会話を月1~2回追加
- 第4段階(年間10万円以上):本格的な教材や頻度の高いオンライン英会話を検討
この方法なら、各段階で子どもの反応や効果を確認しながら、無理のない範囲で英語教育を充実させていくことができます。
「隠れたコスト」にも注意
教材費や月謝以外にも、以下のような「隠れたコスト」があることを忘れてはいけません。
時間コスト
- 親が教材研究に費やす時間
- 子どもと一緒に学習する時間
- 英語教室への送迎時間
機会コスト
- 英語学習の時間で、他の体験(外遊び、読書、家族との時間など)ができなくなること
- 英語教育費によって、他の習い事や家族旅行などができなくなること
精神的コスト
- 「効果が出ているか」という不安
- 他の子と比較してしまうストレス
- 継続できない時の罪悪感
これらのコストも含めて、総合的に判断することが大切です。
効果的な使い方|どの教材を選んでも成功する秘訣
どんなに良い教材を選んでも、使い方次第で効果は大きく変わります。ワールドワイドキッズで成果を上げていたご家庭には、きっと「成功の秘訣」があったはずです。それは新しい教材でも応用できる普遍的なポイントなのです。
継続のための仕組み作り
「完璧」を求めすぎない
英語教育において最も大切なのは「継続すること」です。しかし、多くの保護者の方が「毎日必ず30分」「DVDを全部見終えてから次に進む」といった完璧主義に陥ってしまいます。
私の保育園にお子さんを預けている保護者の方で、こんな経験をした方がいらっしゃいました。最初は張り切って毎日1時間英語学習の時間を設けていたのですが、風邪で1週間お休みした後、「もうダメだ」と諦めてしまったのです。
でも、考えてみてください。日本語だって、毎日決まった時間に「日本語学習」をしているわけではありませんよね。日常生活の中で自然に身につけているのです。英語も同じように、「生活の一部」として取り入れることが大切です。
具体的な継続のコツ
- 「今日は5分だけ」から始める:忙しい日は英語の歌を1曲だけでもOK
- 「習慣の連鎖」を活用する:朝の着替えの時、車での移動中、お風呂上がりなど、既存の習慣とセットにする
- 「記録」よりも「体験」を重視する:学習時間を記録するよりも、子どもの小さな成長や楽しそうな表情に注目する
親の関わり方のポイント
「先生」ではなく「一緒に楽しむ仲間」になる
多くの保護者の方が、「子どもに英語を教えなければ」というプレッシャーを感じていらっしゃいます。でも、親の役割は「先生」ではなく、「一緒に楽しむ仲間」であることです。
私自身、息子と英語絵本を読む時は、「教える」のではなく「一緒に驚く」ことを心がけています。「わあ、このライオンさん大きいね!」「Big lion!」といった具合に、自然な反応を英語で表現してみせるのです。
子どもの反応に合わせた柔軟性
子どもには必ず「波」があります。英語に夢中になる時期もあれば、全く興味を示さない時期もあります。そんな時、無理強いするのではなく、子どものペースに合わせることが大切です。
英語拒否期への対応法
多くの子どもが経験する「英語拒否期」。「英語嫌い!」「日本語がいい!」と言い出した時の対応をご紹介します。
- 一時的にお休みする勇気を持つ:無理に続けるよりも、しばらく距離を置く方が良い場合もあります
- 英語を意識させない形で触れさせる:英語の歌をBGMとして流したり、英語のアニメを「面白い番組」として見せたりする
- 子どもの好きなものと組み合わせる:電車好きの子なら英語の電車の歌、プリンセス好きの子なら英語のお姫様の物語など
- 他の子との比較は絶対にしない:「〇〇ちゃんは英語上手なのにね」といった言葉は、子どもの自信を奪ってしまいます
子どものタイプ別アプローチ
慎重派の子(人見知りが強い、新しいことに時間がかかる)
このタイプの子には「安心感」が何より大切です。
- 同じ教材を繰り返し使う:新しい教材をどんどん投入するよりも、慣れ親しんだ教材を深く味わう
- 親が先に楽しんで見せる:子どもの前で親が楽しそうに英語の歌を歌ったり、絵本を読んだりする
- 小さな成功体験を積み重ねる:「Hello」が言えただけでも大げさに褒める
積極派の子(新しいもの好き、チャレンジ精神旺盛)
このタイプの子には「刺激」と「変化」を提供しましょう。
- 定期的に新しい要素を加える:同じ教材でも歌ったり、踊ったり、絵を描いたりと様々な活動を組み合わせる
- 少し背伸びした内容も取り入れる:年齢より少し上のレベルの教材にもチャレンジさせてみる
- 達成感を味わえる仕組みを作る:簡単な英語のクイズやゲームで「できた!」という喜びを演出する
マイペース派の子(集中すると長時間没頭する、一人遊びが好き)
このタイプの子には「自由度」を大切にしてあげましょう。
- 時間を区切りすぎない:「30分で終わり」ではなく、集中している時は続けさせてあげる
- 一人でも楽しめる教材を選ぶ:パズルやカード遊びなど、一人でも取り組める要素がある教材
- 興味のあるテーマから入る:恐竜好きなら恐竜の英語絵本、お料理好きなら英語のレシピ動画など
効果測定の考え方
「テスト」ではなく「観察」で成長を見る
英語学習の効果を測る時、つい「単語をいくつ覚えたか」「文章が読めるようになったか」といった分かりやすい指標に目が行きがちです。でも、本当の効果はもっと日常的な場面に現れます。
- 英語の音楽に自然に体が動く
- 英語のキャラクターに親しみを感じる
- 外国人を見ても怖がらない
- 英語の音に対する反応が良い
これらは一見些細なことに思えますが、将来的な英語学習の土台となる重要な変化です。
長期的な視点を持つ
英語教育の効果は、種をまいてからしばらく時間が経って花が咲くようなものです。今日教えたことが明日すぐに身につくわけではありません。
私の保育園では、0歳から英語に触れていた子が、5歳になって突然ペラペラと英語を話し始めることがあります。「あの時の英語の歌遊びが、こんな形で花開くんだ」と感動することがよくあります。
家族全体で取り組む英語環境作り
パパ・ママが完璧である必要はない
「自分の英語力に自信がないから、子どもに英語を教えられない」と悩む保護者の方が多いのですが、実は親が完璧である必要はまったくありません。
むしろ、「ママも英語のお勉強中なんだよ」という姿勢で、一緒に学ぶ仲間になることの方が大切です。子どもは親が一生懸命に取り組んでいる姿を見て、「英語って大切なものなんだ」と感じ取ります。
兄弟姉妹がいる場合の工夫
年齢の違う兄弟姉妹がいる場合、一緒に英語学習をするのは難しいと感じるかもしれません。でも、実は兄弟一緒だからこそできることがたくさんあります。
- お兄ちゃん・お姉ちゃんが先生役になる:年上の子が年下の子に英語を教える場面を作る
- レベル別の役割分担:簡単な部分は下の子、難しい部分は上の子が担当する
- 競争ではなく協力の雰囲気作り:「どちらが上手か」ではなく「一緒に楽しもう」という雰囲気を大切にする
よくある失敗パターンと対策
ワールドワイドキッズのサービス終了で新しい教材を検討している今だからこそ、過去の失敗を繰り返さないための知識を身につけておきましょう。多くの家庭が陥りがちな失敗パターンと、その対策をご紹介します。
失敗パターン1:「高額教材を買えば安心」の罠
よくある失敗の流れ
- ワールドワイドキッズの代替として、より高額で本格的な教材を検討
- 「これだけお金をかけたのだから、必ず効果が出るはず」という期待
- 子どもの反応が思わしくないと、「もっと頑張らせなければ」とプレッシャーをかける
- 親子ともにストレスが溜まり、英語学習そのものが嫌いになる
実際の事例
私の知り合いのBさん(4歳女児の母)は、ワールドワイドキッズ終了を機に、100万円近いDWEフルセットを購入されました。「これで娘の英語は完璧」と意気込んでいたのですが、娘さんは教材の多さに圧倒され、次第に英語から遠ざかってしまいました。
Bさんは「せっかく高いお金を払ったのに」という焦りから、娘さんに無理やり教材を使わせようとしましたが、それがかえって娘さんの英語拒否を強くしてしまったのです。
対策:段階的投資と子どもファーストの視点
- まずは低コストで子どもの反応を確認:高額教材を購入する前に、図書館の英語絵本やお試し教材で子どもの興味を確認する
- 教材は手段、目的は子どもの成長:「教材を使い切ること」ではなく、「子どもが英語を楽しむこと」を最優先に考える
- 投資額と期待値のバランス:高額な投資をした分、期待も高くなりがちですが、子どものペースを尊重することを忘れない
失敗パターン2:「他の子と比較」の落とし穴
よくある失敗の流れ
- SNSや習い事で他の子の英語能力を知る
- 「うちの子は遅れている」という焦りを感じる
- より高度な教材や習い事を検討する
- 子どもの発達段階に合わない学習を強要してしまう
実際の事例
5歳のC君のお母さんは、同じ年の子が英語でペラペラと話している動画をSNSで見て、大きなショックを受けました。「うちの子はまだ挨拶程度しかできない」と焦り、週3回のオンライン英会話を始めました。
しかし、C君はもともと人見知りが激しく、知らない先生と話すことに大きなストレスを感じていました。数ヶ月後、C君は「英語は嫌い」と言うようになってしまいました。
対策:わが子だけの成長ストーリーを大切にする
- 他の子の情報を制限する:SNSの英語教育関連の投稿を見すぎないよう注意する
- 成長の「点」ではなく「線」を見る:今日できることより、3ヶ月前と比べてどう変わったかに注目する
- 子どもの個性を理解する:人見知りの子、積極的な子、それぞれに合った学習方法があることを理解する
失敗パターン3:「継続できない」悪循環
よくある失敗の流れ
- 新しい教材で意気込んでスタート
- 最初の数週間は順調に続ける
- 忙しさや子どもの体調不良で一時中断
- 「また最初からやり直さなければ」という完璧主義的思考
- 結局、再開できずに挫折
実際の事例
Dさん(3歳男児の母)は、こどもちゃれんじEnglishを始めて最初の2ヶ月は順調でした。しかし、息子さんが体調を崩して1週間お休みした後、「また最初からきちんとやらなければ」と思い込んでしまいました。
「追いつくまで時間がかかりそう」「もう遅れてしまった」という気持ちから、結局そのまま続けられなくなってしまいました。
対策:「完璧」より「継続」を重視する仕組み作り
- 「今日から再開」の気軽さを大切にする:お休みした期間は気にせず、「今日から楽しもう」という気持ちで再開する
- 低いハードルを設定する:「毎日30分」ではなく「週に3回、5分でもOK」という緩い目標から始める
- 「中断=失敗」ではないことを理解する:言語学習は休憩期間があっても、完全にゼロに戻るわけではない
失敗パターン4:「親が頑張りすぎる」燃え尽き症候群
よくある失敗の流れ
- 子どもの英語教育に情熱を燃やす
- 毎日の学習計画を完璧に立てる
- 子どもの反応に一喜一憂する
- 思うような成果が出ないことに疲れる
- 親自身が燃え尽きて、英語教育を放棄してしまう
実際の事例
Eさん(4歳女児の母)は、娘のために英語絵本を毎晩3冊読み聞かせ、朝は英語の歌で起こし、日中も英語のCDをかけ続けるという生活を半年間続けました。しかし、娘さんの英語力に目立った向上が見られないことに疲れ果て、「私が頑張っても意味がない」と感じて全てを止めてしまいました。
対策:持続可能な関わり方を見つける
- 親の負担を軽減する:完璧を求めず、できる範囲で継続することを優先する
- 成果への期待を調整する:短期的な成果より、長期的な英語への親しみやすさを重視する
- 親自身も楽しむ:子どものためだけでなく、親自身も英語学習を楽しむ気持ちを持つ
専門家からのアドバイス|本当に大切にしてほしいこと
10年間の保育現場での経験と、モンテッソーリ教育の理論、そして一人の母としての実体験を通して、皆さんにお伝えしたいことがあります。
言語習得の真実|「臨界期」に惑わされないで
「3歳までに始めないと手遅れ」は本当?
英語教育の世界でよく聞く「臨界期説」。「3歳までに英語を始めないと、ネイティブのような発音は身につかない」という理論です。この説に焦りを感じている保護者の方も多いでしょう。
しかし、モンテッソーリ教育の観点から言えば、言語の「敏感期」は確かに存在しますが、それは「この時期を逃したら終わり」という絶対的なものではありません。
私の保育園には、5歳から英語を始めて、小学生になってから驚くほど流暢に英語を話すようになった子がいます。一方で、0歳から英語教育を受けていても、小学生になってから英語に興味を失ってしまった子もいます。
大切なのは「始める時期」より「続ける環境」
言語習得で最も重要なのは、「いつ始めるか」よりも「どのような環境で学び続けるか」です。母語である日本語を考えてみてください。私たちは生まれてすぐに日本語を話し始めたわけではありません。何年もの間、周りの人が話す日本語を聞き続け、少しずつ真似をして、間違いを重ねながら身につけてきました。
英語も同じです。早く始めることよりも、楽しく続けられる環境を作ることの方がずっと大切なのです。
子どもの発達を最優先に考える
認知的発達と言語習得のバランス
モンテッソーリ教育では、子どもの発達を「身体的発達」「認知的発達」「社会性の発達」「言語の発達」の4つの側面から捉えます。英語教育を考える時も、言語の発達だけでなく、これら全体のバランスを考慮することが重要です。
例えば、3歳の子どもが「I want water」と英語で言えるようになったとします。これは確かに素晴らしいことです。しかし、同時に「お水をください」「お水をちょうだい」「のどが渇いたからお水が欲しい」といった日本語での様々な表現も身につけているでしょうか。
言語は思考のツールです。豊かな思考力を育てるためには、まず母語での豊かな表現力が土台となります。
「非認知能力」の育成を忘れずに
最近、教育界で注目されている「非認知能力」。これは、テストで測ることのできない「集中力」「やり抜く力」「協調性」「自制心」などの力のことです。
実は、将来的な学習成果を左右するのは、「3歳で何単語覚えたか」といった認知的な能力よりも、この非認知能力の方が大きいことが分かっています。
英語学習においても、「単語をいくつ覚えたか」よりも、「英語を学ぶことを楽しめるか」「困難があっても続けられるか」「他の人とのコミュニケーションを楽しめるか」といった非認知能力の方が、長期的には重要になります。
母語の大切さを忘れない
「英語ができれば国際人」という誤解
グローバル化が進む現代、「子どもには国際人になってほしい」と願う保護者の方が増えています。そして、「国際人=英語ができる人」という図式で考えてしまいがちです。
しかし、真の国際人とは、英語が流暢に話せる人ではありません。自分の文化やアイデンティティをしっかりと持ちながら、他の文化の人々とも互いに尊重し合えるコミュニケーションができる人のことです。
そのためには、まず日本語での豊かな表現力、日本の文化への理解、そして自分自身への自信が必要です。これらの土台があってこそ、英語というツールが活かされるのです。
日本語と英語の相乗効果を期待する
「英語を学ぶと日本語が遅れる」という心配をよく聞きますが、実際は逆です。適切な方法で複数の言語に触れることで、言語に対する感性がより豊かになります。
例えば、英語絵本を読んだ後に「これを日本語で言うとどうなるかな?」と話し合うことで、両方の言語への理解が深まります。また、英語の歌を歌った後に、似たような日本の歌を歌うことで、それぞれの言語の美しさを感じることができます。
大切なのは、英語と日本語を対立するものとして捉えるのではなく、お互いを豊かにし合うものとして考えることです。
体験談|実際に代替教材を試した家庭の声
ここでは、実際にワールドワイドキッズから他の教材に移行した家庭の生の声をご紹介します。成功例だけでなく、失敗例や途中で方向転換した例も含めて、リアルな体験談をお伝えします。
成功事例1:段階的にレベルアップした Aさん家族(4歳男児)
移行の経緯
Aさんの息子のケンタ君は、2歳からワールドワイドキッズを愛用していました。Mimiのパペットが大好きで、毎日のように英語の歌を歌っていたそうです。サービス終了の知らせを受けた時、Aさんは「ケンタの英語への興味の芽を絶やしたくない」と強く思いました。
選択した教材と理由
最初は「ワールドワイドキッズと同等の教材を」と考えて、DWEの体験を申し込みました。しかし、教材の量の多さと高額な費用に圧倒され、まずは「こどもちゃれんじEnglish」から始めることにしました。
「しまじろうなら息子も知っているし、まずは様子を見てみよう」という判断でした。
実際の使用感と成果
開始から3ヶ月:ケンタ君はしまじろうの登場に大喜び。ワールドワイドキッズで培った英語への親しみやすさもあって、すぐに新しい歌や踊りを覚えました。
6ヶ月後:こどもちゃれんじEnglishの内容では少し物足りなくなってきたケンタ君。そこでAさんは図書館で英語絵本を借りて、寝る前の読み聞かせを始めました。
1年後:英語絵本への興味が高まったケンタ君のために、週1回のオンライン英会話を追加。最初は恥ずかしがっていましたが、先生が優しく褒めてくれることで、だんだん積極的に話すようになりました。
Aさんの振り返り
「最初から高額な教材を購入しなくて良かったです。息子のペースに合わせて少しずつ学習環境を整えていけました。今では息子の方から『今日は英語の本読もう』と言ってくれるようになりました。総費用も年間6万円程度で、家計への負担も少なく済んでいます。」
成功事例2:個性を活かした学習方法を見つけた Bさん家族(3歳女児)
移行の経緯
Bさんの娘のミカちゃんは、もともと人見知りが激しく、新しいものに慣れるまで時間がかかるタイプでした。ワールドワイドキッズでも、最初の数ヶ月は全く興味を示さず、Bさんは「うちの子には英語は向いていないのかも」と悩んでいました。
しかし、慣れてくると、同じDVDを何度も繰り返し見るようになり、いつの間にか歌を覚えて口ずさむようになっていました。
選択した教材と理由
ミカちゃんの「慎重だけれど、慣れると深く取り組む」という性格を考えて、Bさんは「じっくりと取り組める教材」を探しました。最終的に選んだのは「英語絵本の多読」でした。
「オンライン英会話は人見知りのミカには負担が大きそうだし、高額な教材を購入しても使いこなせないかもしれない。それなら、親子でゆっくりと楽しめる英語絵本から始めよう」と考えたのです。
実際の使用感と成果
開始から1ヶ月:図書館で借りた英語絵本を毎晩1冊ずつ読み聞かせ。最初はBさんが読むのを静かに聞いているだけでした。
3ヶ月後:同じ絵本を何度も「読んで」とリクエストするようになったミカちゃん。お気に入りの「Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?」は、ほぼ暗記してしまいました。
6ヶ月後:絵本の中の動物の名前を英語で覚え、動物園に行った時に「Look! Elephant!」と嬉しそうに話すように。日常生活の中で、覚えた英語を使う場面が増えました。
1年後:英語絵本の読み聞かせに加えて、音声ペンを導入。ミカちゃんが一人でも絵本を「読める」ようになりました。
Bさんの振り返り
「最初は『これで本当に英語力がつくのかな』と不安でした。でも、娘のペースを大切にして続けてきて良かったです。費用も月1,000円程度(図書館利用+たまに絵本購入)で済んでいます。何より、娘が『英語の本を読む時間』を楽しみにしてくれているのが嬉しいです。」
挫折から学んだ事例:方向転換した Cさん家族(5歳男児)
最初の選択と挫折
Cさんの息子のタクヤ君は、活発で新しいもの好きの性格でした。ワールドワイドキッズでも、歌って踊ることが大好きで、英語への興味も高かったのです。
サービス終了を受けて、Cさんは「より本格的な英語教育を」と考え、DWEのフルセットを購入しました。「タクヤの興味を活かして、一気に英語力を伸ばそう」という意気込みでした。
挫折の要因
- 教材の量に圧倒される:リビングに並んだ大量の教材を前に、タクヤ君は「何から始めればいいの?」と戸惑ってしまいました。
- 親の焦りが子どもに伝わる:高額な投資をしたCさんは「元を取らねば」という気持ちから、毎日2時間の学習計画を立てました。しかし、これがタクヤ君には重圧となってしまいました。
- 楽しさよりも「学習」になってしまった:ワールドワイドキッズの時は「遊び」だった英語が、「勉強」になってしまい、タクヤ君の興味が急速に冷めていきました。
方向転換と成功
3ヶ月後、タクヤ君が「英語はもうやりたくない」と言い出した時、Cさんは立ち止まって考えました。「何のために英語教育を始めたのか。タクヤが楽しんでいないなら、意味がない」
そこで、DWEは一旦お休みして、週2回のオンライン英会話に切り替えました。さらに、タクヤ君の大好きな恐竜の英語絵本を図書館で借りて、楽しく読み聞かせを始めました。
1年後の状況
オンライン英会話の先生とのやりとりを楽しみ、恐竜の名前を英語でたくさん覚えたタクヤ君。「英語嫌い」だった時期を乗り越えて、再び英語への興味を取り戻しました。
Cさんの振り返り
「高い教材を買えば効果が出ると思い込んでいました。でも、大切なのは子どもが楽しめるかどうかだったんですね。今は月5,000円程度の出費で、息子が生き生きと英語を学んでいます。遠回りしたけれど、良い勉強になりました。」
複数教材を組み合わせて成功した Dさん家族(3歳女児、5歳男児)
兄妹の異なるニーズ
Dさんには3歳のアイちゃんと5歳のユウト君がいます。二人ともワールドワイドキッズで英語に親しんでいましたが、性格が全く違いました。
- アイちゃん:人見知りで慎重、同じことを繰り返すのが好き
- ユウト君:積極的で好奇心旺盛、新しいチャレンジが好き
それぞれに合わせた教材選択
Dさんは「一つの教材ですべてを済ませよう」とは考えませんでした。それぞれの子どもの性格に合わせて、異なるアプローチを取ったのです。
アイちゃん用:
- 英語絵本の読み聞かせ(図書館利用)
- こどもちゃれんじEnglishのDVDとエデュトイ
ユウト君用:
- 週1回のオンライン英会話
- 英語で学ぶSTEAM教育系のYouTube動画視聴
兄妹で一緒に:
- 英語の歌を歌う時間
- 英語カルタやゲーム
1年後の成果
アイちゃんは自分のペースで英語絵本を楽しみ、ユウト君はオンライン英会話の先生とのやりとりを楽しんでいます。二人とも英語に対する興味を保ち続けています。
Dさんの振り返り
「最初は『同じ教材で一緒に学ばせよう』と思っていました。でも、子どもの個性に合わせて使い分けることで、どちらも楽しく続けられています。費用は月8,000円程度で、一人当たり4,000円です。個別に最適化した教材を組み合わせることで、コストパフォーマンスも良いと感じています。」
まとめ|新しいスタートを切るあなたへ
ワールドワイドキッズのサービス終了は、確かに残念な出来事でした。愛用していた教材がなくなってしまう寂しさ、「これからどうしよう」という不安、きっと多くの感情が入り混じっていることでしょう。
でも、ここまでこの記事を読んでくださったあなたなら、きっと大丈夫です。なぜなら、あなたは「わが子の将来を真剣に考え、最良の選択をしたい」という素晴らしい想いを持った保護者だからです。
改めてお伝えしたい、本当に大切なこと
教材は手段、目的は子どもの幸せ
どんなに素晴らしい教材も、どんなに評判の良い英語教室も、それらはすべて「手段」に過ぎません。本当の目的は、お子さんが英語を通して世界を広げ、多様な文化や価値観に触れ、豊かな人生を歩むことです。
そして何より、親子が一緒に学び、一緒に成長する時間を楽しむことです。
完璧を求めず、継続を大切に
言語学習は「完璧」を目指すものではありません。間違いながら、試行錯誤しながら、少しずつ身につけていくものです。大切なのは、毎日少しずつでも英語に触れ続けることです。
1日5分でも、週に3回でも構いません。「今日はできなかった」と自分を責めるよりも、「明日からまた始めよう」と前向きに考えることの方がずっと大切です。
子どもの個性と成長のペースを信じる
他の子と比較して焦る必要はありません。お子さんには、お子さんだけの個性があり、成長のペースがあります。それを信じて、温かく見守ってあげてください。
今日英語を話さなくても、明日歌わなくても、お子さんの心の中には確実に英語への親しみやすさが育っています。それはきっと、将来の大きな財産になるはずです。
具体的な次のステップ
Step1:お子さんの「今」を観察する
まずは、お子さんが現在どんなことに興味を持っているか、どんな遊びを好んでいるかを観察してみてください。それが、最適な英語学習方法を見つけるヒントになります。
- 歌や音楽が好き → 英語の歌や音楽を中心とした教材
- 絵本が好き → 英語絵本の読み聞かせから
- 人とのやりとりが好き → オンライン英会話や英語教室
- 一人で集中するのが好き → 多読や音声教材
Step2:無理のない予算を設定する
家計に無理のない範囲で予算を設定しましょう。「子どものためなら」という気持ちは素晴らしいですが、家計を圧迫してしまっては長続きしません。
- 月額3,000円以下:英語絵本、こどもちゃれんじEnglish
- 月額3,000円~8,000円:上記+オンライン英会話(週1回)
- 月額8,000円以上:複数教材の組み合わせや高頻度のオンライン英会話
Step3:小さく始めて、様子を見ながら調整する
最初から完璧なプランを立てる必要はありません。まずは一つの方法から始めて、お子さんの反応を見ながら調整していきましょう。
- 1ヶ月間:選んだ方法でスタート
- 3ヶ月後:効果と子どもの様子を振り返り
- 6ヶ月後:必要に応じて追加や変更を検討
Step4:長期的な視点を持つ
英語学習の効果は、すぐには見えません。でも、継続することで必ず子どもの中に蓄積されていきます。「今月はあまり成果が見えないな」と感じても、焦らずに続けることを大切にしてください。
最後に|あなたとお子さんを応援しています
ワールドワイドキッズがなくなっても、お子さんの英語学習の道は続いています。そして、その道のりを歩むのは、お子さん一人ではありません。あなたという素晴らしい伴走者がついています。
時には迷うこともあるでしょう。うまくいかない日もあるでしょう。でも、そんな時は思い出してください。英語学習の目的は、「英語ができる子」を育てることではありません。「英語を通して世界を広げることができる子」「異なる文化や価値観を受け入れることができる子」「自分らしさを大切にしながら他者とコミュニケーションできる子」を育てることです。
そして何より、親子で一緒に学び、一緒に成長する時間を楽しむことです。
あなたとお子さんの新しい英語学習の旅路に、心からエールを送ります。きっと素晴らしい発見と成長が待っているはずです。
一歩一歩、ゆっくりと、でも確実に前に進んでいきましょう。あなたたち親子の英語学習が、温かい思い出に満ちた時間となりますように。
この記事が、ワールドワイドキッズのサービス終了で途方に暮れているすべての保護者の方の、新しいスタートの助けとなることを心から願っています。
モンテッソーリ教師・保育士 田中