幼児の自己肯定感を育む方法【2026年版】内田伸子氏「3H(ほめる・はげます・ひろげる)」・今井和子氏が示す0〜3歳の土台・「昨日の自分と比べる」声かけ実例集

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「うちの子、最近『どうせ僕なんて…』と言うようになった」「叱ると極端に落ち込む」「新しいことに挑戦したがらない」——この記事は架空の専門家・架空の教材ROI比較なしで、幼児の自己肯定感を育む方法を整理します。今井和子氏・内田伸子氏という実在する専門家の知見と、内閣府・同志社大学の実証データを核心に使います。

📋 この記事でわかること
  • 内閣府調査(2018年):日本の若者の自己肯定感が6カ国中最低という実態——なぜ幼児期から育む必要があるのか
  • 今井和子氏(東京成徳大学教授・「子どもとことば研究会」代表)が示す「3歳未満児の自己肯定感の土台」の育み方
  • 内田伸子氏(お茶の水女子大学名誉教授)が提唱する「3つのH(ほめる・はげます・ひろげる)」の具体的実践例
  • 「すごいね!」より「頑張ってるね」——ほめ方の質が自己肯定感に与える違い
  • 同志社大学(2018年)実証研究:親・学校・友人「すべてが」影響する理由
  • 自己肯定感を下げる4つの言葉パターンと今日から使える代替表現

日本の子どもの自己肯定感——なぜ幼児期から育む必要があるのか

📊 内閣府「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」(2018年)

「自分自身に満足している」と答えた若者の割合(13〜29歳):米国83.8%・中国80.2%・韓国83.7%に対し、日本は45.1%と6カ国中最低(リセマム・放課後NPOアフタースクール参照)。2013年の前回調査からさらに低下しており、「自分は役に立たないと強く感じる」と答えた日本の若者は51.8%に上ります。

幼児期に育てた「自己肯定感の土台」は、この問題の根本的な改善につながります。今井和子氏が指摘するように、「日本の子どもたちのいじめやひきこもりの問題、コミュニケーション力の弱さはすべて自己肯定感の育ちの弱さに起因しているのではないか」という問いは、幼児教育に関わる全ての大人が持つべき視点です(みんなの幼児と保育参照)。

📊 同志社大学「子どもの自己肯定感に及ぼす影響要因に関する実証研究—京都子ども調査をもとに—」(2018年)

親・親戚との関係」「学校での生活」「友人の有無」のいずれもが子どもの自己肯定感に影響していることが実証されました(LITALICO wonder参照)。つまり自己肯定感は「親の関わり方だけで決まる」のではなく、複数の環境要因の複合的な結果です。この視点が「どれか一つを改善すれば解決する」という誤解を防ぎます。

2人の研究者が示す「幼児期の自己肯定感を育む土台」

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今井和子氏(「子どもとことば研究会」代表・元東京成徳大学教授・元立教女学院短期大学教授)
23年間公立保育園で保育士として勤務。乳幼児の言語と自己肯定感の発達研究の第一人者
📌「3歳未満児は自己肯定感の土台が育まれる大事なとき。自己肯定感にとって最も重要なのは養護——授乳・おむつ替え・ぐずった時の抱っこなど1対1の大切なコミュニケーションの時間。大人が心のこもった心地よい世話をすることで、子どもはこの人が自分の世話をしてくれる大事な人なんだという信頼感を感じ取る」(みんなの幼児と保育参照)

「自己信頼」と「他者信頼」の2軸:今井氏は自己肯定感を「自己信頼(自分を肯定できる力)」と「他者信頼(周囲の人との信頼関係の中で培われる安心感)」の2軸で捉えます。0〜3歳の養護を通じた信頼感の積み重ねが、この2軸の土台になります。

🍽 日常の実践:「おしっこ出る?出るようならトイレにいこうね」と子どもに聞く。食事の際も「どう?食べられそう?」と判断させる。こうした小さな自己決定の積み重ねが「自分は1人の人間として尊重されている」という感覚を育てます(みんなの幼児と保育参照)
👁 共同注意の実践:子どもが窓際でハトを見ている→「何してるの、早くおやつ」と連れ去るのではなく「ハトポッポいたね」とまず同じものを見て言葉にする。「自分が見ているものを一緒に見てくれる大人がいることに安心し、その人を信頼するようになる」(みんなの幼児と保育参照)
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内田伸子氏(お茶の水女子大学名誉教授・環太平洋大学教授・発達心理学)
専門:発達心理学・言語心理学・認知科学・保育学。小学館幼児教室ドラキッズ監修
📌 内田伸子氏が提唱する「3つのH」——「ほめる(Homeru)」「はげます(Hagekimasu)」「ひろげる(Hirogeru)」の頭文字をとった、自己肯定感を育む3段階の声かけアプローチ(ドラキッズまなびドア参照)

幼児期は「子どもの本質的な部分をほめることができる時期」であり、「成績や競い合った結果をほめるのではなく、小さな変化や頑張ったプロセス」を認めることが重要だと内田氏は示しています。

内田伸子氏の「3H」——具体的な実践方法

H1 ほめる(Homeru)
存在そのものと、プロセスを認める
❌ 自己肯定感を下げるほめ方
  • 「100点とってえらいね」(結果のみ評価)
  • 「○○ちゃんよりできるね」(他者比較)
  • 「すごいね!」(内容のない称賛)
  • 「ちゃんとできた」(できた時だけ認める)
✅ 自己肯定感を育てるほめ方(内田氏3H)
  • 「最後まで諦めないで頑張ったね」(プロセス)
  • 「昨日より今日の方が上手になったね」(自己比較)
  • 「失敗しても続けたね、すごい」(粘り強さ)
  • 「あなたがいてくれて嬉しい」(存在承認)
💡 ドラキッズ(小学館)の実践から:「子どもはちょっと前と比べて、昨日より上手にお片づけできたね、という言葉でほめると子どもの心に届きやすい。くれぐれも『○○ちゃんはまだできないのに』などよその子と比べるのは避けてください」(ドラキッズまなびドア参照)
H2 はげます(Hagekimasu)
失敗・困難を共に乗り越える

「励ます」とは失敗を否定することなく、また「すぐ解決策を示すこと」でもありません。まず感情を受け取ってから、次の一歩を一緒に考えます。

❌ 励まさない言葉
  • 「また失敗して」
  • 「だから言ったでしょ」
  • 「もっと頑張りなさい」(抽象的)
  • 「そんなことで泣かないの」(感情の否定)
✅ 本当の励まし
  • 「悔しかったね」(感情を受け取る・最初に)
  • 「うまくいかなかったね。どうしたらうまくいくと思う?」
  • 「お母さんも子どもの頃〇〇が苦手だったよ、でも…」
  • 「失敗したからこそわかったことがある」
💡 失敗の価値を伝える:「なんでもできる人は最初からできたわけじゃない。お父さんも最初は自転車に乗れなかった」という具体的なエピソードが、子どもの失敗体験を「成長の一部」として位置づけます
H3 ひろげる(Hirogeru)
子どもの興味・発見を深化させる

「ひろげる」は子どもが見つけた興味・疑問に対して大人がさらに深掘りすることで、探究心と「自分は面白いことを見つけられる」という感覚を育てます。

❌ 広がらない反応
  • 「あ、そう」(流す)
  • 「それより早くご飯食べて」
  • 「そんなこと気にしなくていい」
✅ 広げる反応
  • 「面白い!なんでそう思ったの?」
  • 「それって〇〇とどう違うと思う?」
  • 「一緒に調べてみよう」
  • 「その考え、もっと教えて」
💡 「ひろげる」の核心は「親が答えを教えるのではなく、子どもと一緒に不思議がること」。子どもの「なんで?」に「なんでだろうね、一緒に考えよう」と返すことが、探究心と知的な自信を同時に育てます

年齢別:今この時期に育てられること

👶
0〜3歳:今井和子氏が示す「土台形成期」
自己肯定感の最も重要な基盤が作られる時期
📌「3歳未満児は人は言葉にならない思いをわかってくれる、自分はひとりじゃない、人といっしょに生活することは楽しい、と、まわりの人といっしょに生きることに充実感を持つ。幼いときから人と人が心の深いところで感情交流を豊かに交わしあう、そんな生活の積み重ねで人を好きになっていく」(みんなの幼児と保育参照)
✅ この時期の実践
  • 泣いたら必ず応答する(甘やかしではなく安心感)
  • 日常のケアに声をかける(「さあ着替えよう、ぱっ!」)
  • 「おしっこ出る?」と聞く——小さな自己決定
  • 子どもが見ているものを一緒に見る(共同注意)
  • スキンシップを大切に(抱っこ・おんぶ・膝の上)
❌ この時期の注意点
  • 「早く」「ちゃんと」の命令ばかり
  • 子どもが何かに集中している時に強制的に移動
  • 泣いても無視・放置
  • 比較(「お兄ちゃんはできるのに」)
🌱
3〜5歳:「自立心と感情認識」の発達期
「自分でやりたい」と「感情に名前をつける」が同時進行する

ドラキッズの保育実践から「否定しない・決めつけない」「子どもが考える時間を作る」「無理強いをしない」という3原則が示されています。「今日は手をあげるだけにしようか」という代替案の提示が「気持ちを受け入れてくれた=ありのままの自分を認めてくれた」という感覚を生みます(ドラキッズまなびドア参照)。

✅ この時期の実践
  • 「青と赤どっちの服にする?」小さな選択を提供
  • 「悔しかったんだね」感情に名前をつける
  • 「どうしたらうまくいくと思う?」考えさせる
  • 「今日○○できるようになったね」自己比較でほめる
  • お手伝いを頼んで「ありがとう、助かった」と言う
❌ この時期の注意点
  • 「○○ちゃんはできるのに」他の子との比較
  • 感情的な怒り——「なんでそんなことするの!」
  • すぐ答えを教える(考える機会を奪う)
  • 失敗を「問題」として捉えて責める
💡 「ありがとう」の力:子どもにお手伝いを頼み「ありがとう、助かった」と言う体験は「自分は必要とされている」という自己有用感を育てます。これは単なるほめ言葉より深く自己肯定感に作用します(保育タイムズ参照)

自己肯定感を下げる言葉パターンと代替表現

よくある場面❌ 自己肯定感を下げる言葉✅ 代替表現(内田氏3H参照)なぜ違うか
失敗した時「また失敗して!」「うまくいかなかったね。次どうしようか?」失敗を共有→改善の思考へ
成功した時「すごいね!100点!」「最後まで諦めないで頑張ったね」結果→プロセスへの注目
比較したい時「○○ちゃんはできるのに」「昨日より上手になったね」他者比較→自己成長比較
急いでいる時「早くして!なんでできないの!」「もう少しで出来そうだね、一緒にやろうか」否定→サポートの姿勢
泣いている時「そんなことで泣かないの」「悔しかったんだね、わかるよ」感情の否定→感情の承認
何もしていない時(何も言わない)「あなたがいてくれて嬉しい」条件なしの存在承認

「ほめすぎ」は逆効果か——自己肯定感についての重要な逆張り視点

📌 「すごいね」とほめ続けると何が起きるか

「何もしていなくても○ちゃんが大好き♡」という存在承認と、「100点とってえらいね」という結果評価は、子どもに全く異なるメッセージを与えます。結果だけをほめ続けると、子どもは「できた自分はすごいけど、できない自分はダメだ」というイメージを形成します(PHP Family参照)。

自己効力感理論(Bandura, 1997):成功体験が自己効力感の最強の源となる一方、外的報酬(称賛・賞品)が内発的動機を損なう場合があります。達成の承認はプロセスや成長に焦点化することが推奨されています(越前市社会福祉協議会参照)。

📌 「自己肯定感が高すぎる」ことへの懸念——バランスの視点

近年「自己肯定感は高ければ高いほどよい」という誤解が広まっています。榎本博明氏(心理学者)は「根拠のない自己肯定感は脆弱で、失敗や批判に弱い」と指摘しています(ダイヤモンド・オンライン2025年6月参照)。重要なのは「根拠のある自己肯定感」——具体的な体験と成長の積み重ねから生まれる「自分は成長できる存在だ」という感覚です。これは「努力したプロセスをほめる」という内田氏の3Hアプローチが大切にしていることと一致します。

よくある質問

Q
「自己肯定感が低い」と気づいたのが5歳頃です。今からでも変わりますか?
変わります。ほめ写プロジェクト(2018年・2019年調査)では、写真を使った「ほめる・認める関わり」を続けた結果、子どもの自己肯定感だけでなく親の自己肯定感も向上し、「親の意識・行動の変化が子どもの自己肯定感に良い影響を与える」ことが示されています(ほめ写プロジェクト参照)。今日から声かけを変えること——「悔しかったね」と共感する・「昨日より上手になった」と気づかせる——その積み重ねが変化をもたらします。ただし一朝一夕には変わらないため、継続が重要です。
Q
感情的に叱ってしまいました。取り返しがつかないでしょうか?
一度の失敗で取り返しがつかなくなることはありません。自己肯定感は「日々の積み重ね」によるものです。今井和子氏の示す「子どもは機嫌のいい大人関係の中で情緒が安定する」という原則から言えば、叱った後に「さっきは怒りすぎてごめんね」と抱きしめることそのものが、「人は間違えても修復できる」という信頼感を育てます。完璧な親である必要はありません。
Q
共働きで時間が取れません。短時間でも効果はありますか?
時間の長さより質が重要です。今井和子氏が示す「養護(日常のケア)の中に声かけを埋め込む」という原則は、共働き家庭でそのまま実践できます。着替えの際に「袖を通すよ、すっぽん!」と声をかける・食事の時に「今日何が一番楽しかった?」と聞く・寝る前に「今日も一日ありがとう、あなたがいて嬉しかった」と伝える——これだけで十分です。ドラキッズも「親が子どもの『できた!』を見てあげることが重要で、それは5分でも可能」としています。
Q
「どうせ僕なんて」「私なんてダメだ」という言葉が気になります。
このような発言が繰り返される場合は、その場での否定(「そんなことないよ!」)より「どうしてそう思うの?」と聞くことが有効です。子どもが感じている具体的な場面・関係を聞き出し、その感情を「悔しかったんだね」「悲しかったんだね」と受け取ることから始めます。もし特定の場所(園・学校など)で繰り返し傷つく体験がある場合は、その環境の改善を検討することが必要です。同志社大学の実証研究が示すように、親以外の環境(学校・友人関係)も自己肯定感に大きく影響します。継続する場合は保健センターや小児科への相談も選択肢です。
Q
兄弟がいる場合、比較せずに接するのが難しいです。
「○○ちゃんはできるのに」は最も典型的な自己肯定感を下げる言葉の一つです(ドラキッズまなびドア参照)。実践的な代替として「この子の昨日と今日を比べる」習慣を意識してみてください。「昨日より上手に片付けできたね」「この前より長く練習できたね」——兄弟と比べるのではなく、その子自身の成長を見るフレームに切り替えることで、一人ひとりが「自分は成長している」という感覚を持てるようになります。
💛 幼児の自己肯定感まとめ(2026年版)
🎯 今日から実践する3H
  • ほめる:「昨日より〜できたね」プロセスと成長に注目
  • はげます:「悔しかったね」——感情承認が最初
  • ひろげる:「なんでそう思ったの?一緒に考えよう」
✅ 2つの研究者の核心
  • 今井和子氏:0〜3歳の養護と共同注意が土台——「ハトポッポいたね」と一緒に見る
  • 内田伸子氏:結果でなくプロセスをほめる——存在承認は条件なしに
  • 同志社大(2018年):親・学校・友人すべてが影響——どれか一つでは不十分

内閣府調査が示す「日本の若者の自己肯定感45.1%」という現実は、今日の幼児期の関わり方で変えられます。完璧なほめ方でなくても、「悔しかったね」の一言と「一緒に考えよう」という姿勢から始めてください。

※本記事は今井和子氏インタビュー「自己肯定感って何だろう」(みんなの幼児と保育)、内田伸子氏「自己肯定感が高まるほめられ体験・3H」(ドラキッズまなびドア参照)、同志社大学「子どもの自己肯定感に及ぼす影響要因に関する実証研究」(2018年・埋橋孝文教授)、内閣府「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」(2018年)、ほめ写プロジェクト調査(2018年・2019年)、LITALICO wonder・ドラキッズ・保育タイムズの情報を参照しています。2026年5月時点の情報です。