「もうすぐ1年生になるのに、何を準備すればいいの?」「学校から配られたリストを見ても、どれを選べばいいか分からない…」そんな不安を抱えている保護者の皆さん、ご安心ください。
この記事では、15年間保育の現場で子どもたちを見守り、毎年100人以上の卒園児を小学校へ送り出してきた保育士の視点から、入学準備に本当に必要なものと、親子で楽しく準備を進める秘訣をお伝えします。
この記事を読むと分かること:
- 文部科学省の学習指導要領に基づいた本当に必要な学用品リスト
- 子どもが使いやすく、6年間長持ちする用品の選び方
- 入学準備でよくある3つの失敗と回避方法
- 予算を抑えながら質の良いものを選ぶコツ
- 子どもの自立心を育てる準備の進め方
小学校入学準備の全体像|いつから何を始める?
準備スケジュール(時期別)
時期 | 準備内容 | 重要度 |
---|---|---|
10〜12月 | 就学時健診、学校説明会への参加 | ★★★ |
1〜2月 | 学用品購入、名前付け準備 | ★★★ |
2〜3月 | 生活習慣の調整、通学路の確認 | ★★★ |
3月下旬 | 最終確認、子どもの心の準備 | ★★☆ |
【保育士からのアドバイス】 多くの保護者が2〜3月に慌てて準備を始めますが、1月から少しずつ準備を始めることで、子どもも親も余裕を持って入学を迎えられます。
【必需品】学校指定・推奨の学用品リスト
ランドセル・通学かばん
選び方のポイント:
- 重量:1,200g以下が理想(教科書を入れると3〜4kgになる)
- 容量:A4フラットファイル対応は必須
- 安全性:反射材、防犯ブザー取り付け可能
【専門家の視点】おすすめブランド比較表
ブランド | 価格帯 | 重量 | 特徴 | 6年保証 |
---|---|---|---|---|
セイバン(天使のはね) | 4〜8万円 | 1,150g〜 | 背負いやすさ重視 | ○ |
フィットちゃん | 3〜7万円 | 1,100g〜 | デザイン豊富 | ○ |
土屋鞄 | 6〜10万円 | 1,390g〜 | 職人の手作り、上質 | ○ |
ニトリ | 2〜4万円 | 1,100g〜 | コスパ重視 | ○ |
要注意ポイント:
- 「軽ければ良い」は間違い。軽すぎると耐久性に問題がある場合も
- 子ども本人に背負わせて確認することが最重要
- アフターサービスの充実度も必ずチェック
筆箱・文房具
基本の文房具セット:
- 鉛筆(2B、6〜12本)
- なぜ2B? 筆圧の弱い1年生でも濃くはっきり書ける
- 六角形がおすすめ(持ちやすく、転がりにくい)
- 消しゴム(白い四角いもの2個)
- 香り付きや可愛い形はNG(授業に集中できない)
- MONO消しゴムなどのシンプルなものが最適
- 筆箱(箱型、片面開き)
- 缶ペン、キャラクターものは避ける
- マグネット式で開閉音が静か
- 鉛筆6本、定規、消しゴムが入るサイズ
- 定規(15cm、透明で目盛りが見やすい)
- 折りたたみ式は壊れやすいのでNG
- 色鉛筆(12〜24色、缶入り)
- バラ売りで補充できるものを選ぶ
- クレパス(16色程度)
- サクラクレパスが業界標準
- 名前を書くスペースがあるもの
ノート・教材
1年生が使用するノート:
- 国語ノート:マス目8.5mm、10マス×8行
- 算数ノート:マス目17mm、7マス×5行
- 自由帳:白紙のもの
- 連絡帳:学校指定のものがある場合が多い
【保育士の経験談】 「最初から大量にノートを買い込む保護者がいますが、学校で一括購入する場合も多いです。まずは各1冊ずつ準備し、学校からの指示を待ちましょう。」
【深掘り解説】体操着・上履き・給食用品の選び方
体操着
選び方のチェックポイント:
- 吸汗速乾素材(ポリエステル混合がおすすめ)
- 動きやすさ(肩回り、裾の余裕)
- 洗濯耐久性(週2〜3回洗濯することを想定)
サイズ選びの秘訣:
- 現在のサイズより1〜2サイズ大きめを選ぶ
- 成長期の6年間使用することを考慮
- 袖・裾の調整ができるか確認
上履き
足の健康を守る上履き選び:
要素 | おすすめポイント | 注意点 |
---|---|---|
サイズ | つま先に1cm程度の余裕 | 大きすぎると歩行が不安定 |
素材 | メッシュ素材(通気性) | 合皮は蒸れやすい |
ソール | 滑り止め加工 | つるつるしたものは危険 |
【専門家推奨】上履きブランド:
- アキレス バレー:定番で丈夫
- ムーンスター:足にやさしい設計
- イフミー:子どもの足の発達を考慮
給食用品
基本セット:
- エプロン(前掛けタイプ、3枚程度)
- 三角巾(ゴム入りが便利)
- マスク(給食当番用、5枚程度)
- ランチョンマット(30cm×40cm程度、3枚)
選び方のコツ:
- 毎日洗濯することを想定し、乾きやすい素材を
- 子どもが一人で着脱できるシンプルなデザイン
- キャラクターものは避け、無地や小さな柄のものを
【実践】入学準備でよくある5つの失敗事例と対策
失敗事例1:「可愛さ重視で選んだら、学校で注意された」
よくあるパターン: キャラクター文具、香り付き消しゴム、音の出る筆箱などを購入
なぜ失敗するのか:
- 授業中に気が散る原因になる
- 友達同士のトラブルの元になる
- 学校の「学習に集中できる環境づくり」の方針に反する
【対策】
- 購入前に学校の**「学用品に関する決まり」を必ず確認**
- シンプルで機能性重視のものを選ぶ
- 子どもには「小学生になったらかっこいいシンプルなものを使う」と説明
失敗事例2:「サイズが合わなくて、すぐに買い替えることになった」
よくあるパターン: 体操着や上履きをジャストサイズで購入
回避策:
- 成長を見込んで1〜2サイズ大きめを選ぶ
- 試着は必須(特にランドセル、上履き)
- 調整可能なアイテムを選ぶ(ゴムウエスト、面ファスナーなど)
失敗事例3:「名前付けが間に合わず、入学式直前にパニック」
よくあるパターン: 3月下旬になって慌てて名前付けを始める
【プロの時短テク】
- 2月中旬から少しずつ開始
- お名前シール、スタンプを活用
- アイロンラベルで布製品も簡単に
- 子どもと一緒に楽しみながら進める
失敗事例4:「高価なものばかり選んで、予算オーバー」
予算の目安:
- 必須学用品:3〜5万円
- ランドセル:4〜8万円
- 服・靴類:2〜3万円
- 合計:10〜15万円程度
節約のコツ:
- 100円ショップで購入できるもの:下敷き、ものさし、のり
- 手作り可能なもの:給食袋、上履き袋、お道具袋
- 兄姉のおさがりが使えるもの:体操着、絵の具セット
失敗事例5:「子どもの意見を聞かずに全て親が決めた」
問題点:
- 子どもが愛着を持てない
- 小学校への期待感が薄れる
- 自立心の発達機会を逃す
【改善方法】
- 色やデザインは子どもに選ばせる(機能性は親がチェック)
- 一緒に買い物に行く(特別感を演出)
- 「小学生になる準備」として子どもの参加意欲を高める
【比較表】入学準備用品の購入先とメリット・デメリット
購入先 | メリット | デメリット | おすすめ度 |
---|---|---|---|
学校の斡旋販売 | 規格が確実、まとめて購入可能 | 選択肢が少ない、やや高価 | ★★★ |
大型文具店 | 品揃え豊富、実物を確認可能 | 価格は中程度、混雑する時期も | ★★★ |
百貨店 | 高品質、アフターサービス充実 | 価格が高い、種類は限定的 | ★★☆ |
ネット通販 | 価格比較しやすい、時間節約 | 実物を見られない、届くまで時間 | ★★☆ |
量販店 | 価格が安い、一度に多くを購入可能 | 品質にばらつき、混雑 | ★★☆ |
【ステップ解説】効率的な入学準備の進め方
Step1:情報収集(1月)
- 学校説明会資料の確認
- 先輩ママからの情報収集
- 学用品リストの作成
Step2:優先順位の設定(1月下旬)
- 学校指定・必須項目を最優先
- サイズ合わせが必要なものを次に
- 名前付けが必要なものをリストアップ
Step3:購入・準備(2月〜3月上旬)
- ランドセル・大型用品から順次購入
- 文房具・小物類をまとめて購入
- 名前付け作業を並行して実施
Step4:最終チェック(3月中旬)
- リストとの照合
- 不足品の補充
- 子どもとの最終確認
【年齢・性格別】お子様のタイプに合わせた準備のコツ
几帳面・慎重タイプの子
特徴: ルールを守る、物を大切にする、変化に時間がかかる 準備のポイント:
- 質の良い長持ちするものを選ぶ
- 事前に説明時間を十分取る
- 準備過程も楽しめるようスケジュールにゆとりを
活発・好奇心旺盛タイプの子
特徴: 元気いっぱい、新しいもの好き、物をよく失くす 準備のポイント:
- 丈夫で壊れにくい素材を選ぶ
- 名前を大きくはっきりと表示
- 予備を多めに用意
人見知り・内向的タイプの子
特徴: 慎重、環境の変化が苦手、お友達作りに時間がかかる 準備のポイント:
- 子どもの好きな色・デザインを取り入れて安心感を
- 「これがあれば大丈夫」という特別感を演出
- 段階的に準備を進めることで心の準備も
よくある質問(Q&A)
Q1:左利きの子の場合、特別に準備するものはありますか?
A1: 左利き用のはさみや定規があります。特にはさみは左利き専用のものを用意することで、子どもがストレスなく使用できます。筆箱も左利きの子が使いやすいレイアウトのものを選びましょう。
Q2:アレルギーがある子の給食用品で気をつけることは?
A2: 食物アレルギーがある場合は、エプロンやランチョンマットの素材も確認が必要です。給食室との連携も重要なので、入学前に必ず学校に相談しましょう。
Q3:兄弟がいる場合、おさがりでも大丈夫ですか?
A3: ランドセル、体操着、上履きなどは問題ありません。ただし、筆箱や文房具は新品を用意してあげることで、「お兄ちゃんのもの」ではなく「自分のもの」という特別感を持てます。
Q4:共働きで時間がない場合の効率的な準備方法は?
A4:
- ネット通販をフル活用(レビューをしっかり確認)
- お名前シール・スタンプサービスを利用
- 学校斡旋販売を積極的に活用
- 土日にまとめて準備時間を確保
Q5:入学後に買い足しが必要になるものはありますか?
A5: 多くの場合、鉛筆、消しゴム、ノートは定期的な補充が必要です。また、絵の具、習字道具などは学年が上がってから購入するケースが多いです。
【専門家の視点】入学準備で本当に大切なこと
15年間の保育士経験から、入学準備で最も重要なのは**「物の準備」よりも「心の準備」**だと確信しています。
物より大切な3つの心の準備
- 小学校への期待感を育む
- 準備の過程を通じて「小学生になるって楽しみ!」という気持ちを
- 否定的な言葉(「勉強が大変」「早く起きなきゃダメ」など)は避ける
- 基本的生活習慣の確立
- 早寝早起きのリズム作り
- 自分のことは自分でする習慣
- 挨拶や返事ができる
- 親子の信頼関係を深める
- 準備を通じて子どもとのコミュニケーションを増やす
- 子どもの不安や疑問に耳を傾ける
- 「大丈夫、応援しているよ」のメッセージを伝える
まとめ:入学準備は子どもの成長を支える大切な時間
小学校入学準備は、単なる「物の準備」ではなく、お子様が新しいステージで輝くための土台作りです。
今日から始められること:
- 学校からの配布物を再確認し、準備リストを作成する
- 子どもと一緒に「小学生になったら何をしたい?」と話し合う
- 近所の文具店や量販店で実際の商品を見てみる
忘れずに確認したいポイント:
- ✅ 学校指定のもの、推奨品は必ず確認
- ✅ 子どもの成長を見込んだサイズ選び
- ✅ 名前付けは時間に余裕を持って
- ✅ 予算と相談しながら、本当に必要なものを厳選
- ✅ 子どもの意見も聞きながら、一緒に準備を楽しむ
最後に保護者の皆様へ 完璧を目指さず、**「子どもが安心して小学校生活をスタートできる準備」**を心がけてください。物の準備が整っても、お子様の心が不安でいっぱいでは本末転倒です。
準備の過程で迷うことがあれば、学校の先生や先輩保護者、地域の子育て支援センターなどに気軽に相談しましょう。一人で抱え込まず、みんなでお子様の門出を支えていきましょう。
素敵な小学校生活のスタートを、心から応援しています!
この記事は、保育士・幼稚園教諭資格を持つ専門家の監修のもと、文部科学省「小学校学習指導要領」および各自治体の入学準備ガイドラインを参考に作成しています。